出会い系サイトから小説を通じて出会う
出会い系サイトで文学少女のような
書き込みをする人妻の掲示板
がありましたから、
からかってやろうと思った
男性がいました。
その男性は学生時代からの
文学好きで、かなり幅広く
小説やエッセイを読んでいましたから、
女流文学のことも知っています。
通常、かなり沢山の作家の作品を
読んでいるうちに、
好きな作家や題材、作風と
嫌いな作家や作風が
自然とできてくるものです。
その人は自分でも小説に
トライしましたし、今でも落選を
続けながらも文芸誌などの
新人賞に応募をし続けています。
しかし、読むのと書くのは
大違いで、批評はできても
書くとなると難しいものですから、
最近はもっぱら批評する側で
新本を読んでいました。
その自称評論家の男性は、
出会い系サイトの書き込みは
ただの駄文であり、文学的な
匂いなどはかけらもないと
割り切っていたのですが、
その文学少女のような書き込みには
いささかの興味を持ったのでした。
そこで、その書き込みの人妻に
対する書き込みをしました。
「貴女の文学的センスは
一流の作家並みですね。
いやあ、すっかり感服しました。
ところで失礼ですが貴女は
おいくつぐらいなのですか?
まさか百歳ではないでしょうね」
このふざけた「百歳」にその人妻は
カチンと来たらしく、
「私は生後三ヶ月の赤ちゃんです」
と挑戦してきました。
それからこの男性と文学少女との
メール合戦が始まったのです。
そしてメールの交換をしている時、
この男は
「わたしは一流の
文芸評論家です」と
ハッタリをかけたのでした。
そうすると
「では私の好きな作家の作品を
どう思われますか?
直にお会いしてご意見を
伺いたいものです」と
ある女流作家の名前と
作品名をあげてきたのです。
その作家も作品もこの男性は
読んだことがあり、大嫌いな
作品でした。しかし、
「お会いして」という言葉があるので、
相手次第でこの作品を
けなすことにしたのです。
そして、合った女性は40代の
美人でしたから、男性はこの大嫌いな
作品を褒めちぎりました。
そして、なんとその言葉ですっかり
気を良くしたその人妻は
この初対面の自称評論家に
身も心も許したのだそうです。